インサイド・サケ · 蔵のマスタークラス 10月9日・10日 — 各回15名

時間をかけるということ

麹は麹室で二日。発酵は冷たいタンクで数週間。どこも急ぐことはできません。仕上がりを決めるのは暦ではなく、酒のほうです。

この造りをウィーンへ持ち込むにあたって、最後まで手放したくなかったのがそこでした。そして、この街がいちばんよく分かってくれたのも、そこでした。

A brewer turning cooling rice by hand

クラ・ウィーンは、もともと急がない街にある、急がない蔵です。何世紀も変わらないやり方で、三つの原料とたっぷりの時間から酒を醸す。それも、これまで酒が造られたことのない土地で。

Koji spores being sprinkled over steamed rice
A brewer working the koji rice beneath the shrine

二日間の温もりと、ひとつかみの種麹。米はひとりでに甘くなります。

米、水、麹

醸造アルコールなし、糖類なし、活性炭濾過なし。タンクに入れたものが、そのまま瓶に入ります。

ピエモンテの有機米

車で南へ一日のピエモンテで、有機栽培されたアルボリオとセレニオ。精米は浅く、金鯱は歩合90%です。私たちが求める味は、多くの蔵が削り落とすその部分にあるからです。

01

ウィーンの湧水

ウィーン高地泉水道。1873年以来、ニーダーエスターライヒとシュタイアーマルクの山から、ポンプを使わず自然流下だけで市内へ届きます。硬度は中程度、鉄分はきわめて少なく、日本の銘醸地の水に驚くほど近い水質です。これほどの仕込み水は、ヨーロッパにそう多くありません。

02

自家製の麹

麹は自分たちで造ります。 Aspergillus oryzae を蒸米に生やし、二日かけて育てる。酵母がすでに働いているそばで澱粉を糖に変えていく。並行複発酵は、ほかのどの酒にもありません。

03

ウィーンの地下で、手で醸す。冷たく、無濾過で、待つだけの価値があります。